トランプ大統領を予想していた日本政府・安倍首相、ロシアとの関係強化

全世界が注目した2016年アメリカ大統領選で、予想では優勢だった民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官を逆転し、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した。

トランプ・アメリカ大統領が誕生することに関して、様々な日本への影響が懸念される中、トランプ大統領の誕生を “予想?” していたかのように、日本政府・安倍晋三首相は日本・ロシアの関係を強化しようとしている。

日本・ロシア平和条約締結交渉、11月15日に東京開催へ

日本、ロシアの両政府は、北方領土問題を議論する平和条約締結交渉を11月15日に東京で行う方向で調整に入った。

日本・ロシア平和条約締結交渉は、今年8月以来の開催で、12月に山口県で開く日ロ首脳会談に向けた事前調整の一環との位置づけとしている。

また、安倍晋三首相とプーチン大統領は、ペルーで11月19~20日にあるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて会談するとのこと。

日本政府・安倍晋三首相、トランプ米大統領を予想?

安倍晋三首相が2016年5月にロシア連邦のソチを訪問し、プーチン大統領と会談を行ったが、これに会談に関して、事前にオバマ米大統領側から、安倍首相にロシア訪問を考え直すよう求めていたとのこと。

それでも、安倍首相はオバマ大統領が求める対ロシア交渉中断を撥ね付けたそう。この全く想定していなかった安倍首相の言辞に驚き、アメリカ政府側は、瞬時言葉を失ったほどであったとのこと。

もちろん日本・ロシア関係強化の本質は、“対中国” であるが、日本側はトランプ大統領の誕生も想定していたゆえの戦略ではなかったかと考えることもできる。

(北方領土問題解決、ロシアとの平和条約締結を目標とする安倍首相に対して)、オバマ大統領から以前から何度も慎重な行動を求める要請がありながら、安倍首相は日露関係を進展させようとしている。この強気な態度の背景には、オバマ大統領のレームダック化(死に体)、大統領選で積極的な外交をしにくい状況がある。

また、共和党候補トランプ氏は「私はテロ打倒や世界平和の回復に向けて、ロシアと米国は緊密に協力できるはずだと常々考えてきた。互いの尊重から生まれる貿易など他のあらゆる利益は言うまでもない」と、ロシア関係を重視する考えを示しており、プーチン大統領もトランプ氏を「聡明で才能に恵まれた人物であることは疑いがない」と高く評価している。

一方、民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官は、過去にプーチン大統領を「フーリガン」と呼んでおり、米露関係の改善に大きな期待は持てない。

そのため、日露関係の進展に関して言えばトランプ氏が大統領になった方が安倍首相としてはいいだろう。またトランプ氏が日本を敵対視しているという意味でも、「トランプ大統領」になれば日露関係は重要になるだろう。

クリントン氏や他候補が大統領になれば、オバマ大統領以上に日本に自粛を求める可能性は高い。もちろん、安倍首相としては次期大統領が就任する前、つまり年内に北方領土問題を解決したいと考えているだろうが、次期大統領をトランプ氏だと見据えているのかもしれない。

(出典:Platnews「安倍政権はトランプが大統領になると予想?-深まる日露関係」)

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