覚せい剤取締法違反の罪で起訴された元プロ野球選手・清原和博被告の初公判が、5月17日に東京地裁で開かれた。
清原和博被告の初公判 傍聴席希望者3769人・倍率188.45倍
清原和博被告の初公判前に、傍聴希望者が列を作り、20の一般傍聴席を求めて3769人が傍聴希望者が集まり、抽選倍率は188.45倍にのぼった。
酒井法子さんの初公判では、一般傍聴席20に対して6615人の傍聴希望者が集まり、抽選倍率は330.75倍。ASKAさんの初公判は、一般傍聴席21に対して2646人の傍聴希望者が集まり、抽選倍率は126倍
清原和博被告 覚せい剤に関する起訴内容認める
紺のスーツに青と白のドットのネクタイを締め、緊張した表情で入廷した清原被告は、裁判官から氏名を聞かれると小さい声で「清原和博です」と、また職業を問われると「今は無職です」と返答した。
そして起訴内容について聞かれると、清原被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
清原和博被告 覚せい剤の開始時期は現役引退後
清原和博被告、覚せい剤の開始時期は、現役を引退した2008年ごろからと証言。現役時代は、ストレスがあっても、野球で解消できた。
しかし現役引退後は、生活の乱れ、左足のケガ、プロ野球の指導者のなりたくても声が掛からないなど、社会のストレスやプレッシャー・不安の解決方法がなくなり、そんな心のすきまを埋めるために、覚せい剤を繰り返し使用してしまった、と証言。
また、注射器を使っての覚せい剤の使用は、昨年2015年ごろからで、小林被告(清原被告に覚せい剤を渡した人物)から教えられた、と証言した。
清原和博被告 弁護側の情状証人・佐々木主浩の証言
弁護側の情状証人となった野球評論家の佐々木主浩さんは、清原被告について、「清原被告と知り合ったのは高校生のときで、清原被告は優しくて気が利く性格で、(番長と呼ばれているが)暴力的なところは見たことがない。(野球人としては)最高バッターで、ピッチャーの一球一球に向き合っていた」と証言。清原被告は申し訳なさそうな姿で聞いていた。
また、佐々木さんは以下のようなことを証言。
・今年一月の名球界のイベントでは、(清原被告は)子供と楽しそうにしていた。
・(清原被告の)情状証人になることは即決した。その後、清原被告から電話で“ごめんなさい、すまない”と謝罪されたが、(清原被告の)声が聞けてホッとした。
・野球に関わることを(清原被告と)一緒にやっていきたい。彼は、今でも野球人だ。
・(清原被告を)応援する人はたくさんいる、名前はいえないが、先輩・後輩・同級生など。
・(覚せい剤使用について過去にウソをつかれたが)今後、彼は僕にウソをつかない、(覚せい剤使用の)二度目はない、と信じている。
その佐々木さんの証言に、清原被告はハンカチで目を押さえる姿も。
清原和博被告 覚せい剤との関係と今後について
弁護側の証言の中で、清原被告の父親の手紙が読み上げられ、その中で清原被告に対して「(息子は)非常に優しい子で、私が全力でサポートしていく。」と読み上げられると、清原被告は涙をぬぐう姿が見られた。
そして清原被告は、「本当に情けない、ファンの方やプロ野球を目指す子供たちに申し訳ない、野球界にも裏切り行為をして申し訳ないと思っている。」と証言した。
また覚せい剤については、「大変怖い薬物であるとわかった、今後は一日一日覚せい剤の向き合い戦いたい。」と清原被告は語った。
覚せい剤を止めることに関しては、「国の更正プログラム知り、保護観察を希望、必要であれば入院など考えたい。」と証言した。
清原和博被告への求刑 懲役2年6ヶ月
検察側は清原和博被告に対して、懲役2年6ヶ月を求刑し、即日結審した。判決は今月31日。