バングラデシュの首都ダッカで起きた武装勢力による人質襲撃事件で、菅義偉官房長官は7月2日午後11時30分ごろから記者会見し、日本人7人が死亡したことを明らかにした。
発表では、バングラデシュ政府が遺体を搬送した病院で、日本人の死亡を確認したという。所持品や写真などから、いずれも国際協力機構(JICA)のプロジェクトに関わっているコンサルタントの男性5人、女性2人とした。
コンサルタントの会社名は「アルメックVPI」、「オリエンタルコンサルタンツグローバル」、「片平エンジニアリング・インターナショナル」の3社。
共同通信は政府関係者の話として、死亡した7人のうち4人は「酒井夕子さん、岡村誠さん、下平瑠衣さん、小笠原公洋さん」と伝えた。
バングラデシュ・ダッカ・レストラン人質襲撃事件の概要と日本人被害者の氏名
- 7月1日午後9時ごろ(現地時間)、武装集団がレストランを襲撃
- 襲撃されたレストランは、ダッカの大使館などが集まる高級住宅街、グルシャン地区にあるレストラン「ホーリー・アルティザン・ベーカリー」
- バングラデシュ政府、特殊部隊を突入させ鎮圧。人質20人が死亡。13人救出、うち外国人が3人と発表
- 救出されたうち日本人が1人いて、被弾しているが命に別条はなしと判明。東京・新宿区の建設コンサルタント会社「アルメックVPI」社員の渡邊玉興さん
- 死亡した人質20人のうち、イタリア人9人、日本人7人、アメリカ市民権を持つバングラデシュ人3人、インド人1人という情報。
- 死亡した人質遺体の損傷が激しく、身元特定には時間がかかるとしている
- 菅官房長官、日本人の男性5人、女性2人の死亡を確認したと発表
- 日本政府関係者によると、死亡が確認された7人の氏名は、酒井夕子さん(42)、岡村誠さん(32)、下平瑠衣さん(27)、橋本秀樹さん(65)、黒崎信博さん(48)、田中宏さん(80)、小笠原公洋さん(56)。
バングラデシュ・ダッカ・レストラン人質襲撃事件当時の状況
襲撃されたレストランの隣に住む韓国系米国人の男性は、現地時間1日午後8時40分ごろ帰宅した後に事件を目撃した。
まず、3~4人の男が「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫び、空に発砲するのを見た。いずれもTシャツやジーンズ姿の20代前半ぐらいの若者で、片手にマシンガンやライフル、片手に長さ1メートルぐらいの刃物を持っていた。
1人が門から店の敷地に入ると、すぐ近くにいた日本人男性が「私は日本人だ!」と英語で3回叫び、「どうか、撃たないでくれ」と懇願していた。男たちは屋外席にいた客らに発砲すると、店内に入った。
やがて到着した治安当局との銃撃戦が始まり、テロリストが投げた爆弾で多くの警官が負傷し、叫び声が響いた。犠牲者の遺体が床に並べられ、「まるで地獄のようだった」と語った。
(出典:朝日新聞デジタル『「日本人だ、撃たないで」 屋外席の客に発砲 ダッカ』)
◆ バングラデシュ・ダッカ・レストラン人質襲撃事件状況を伝える動画や画像・写真
(動画配信元:Repeatube.com ※閲覧要注意)
⇒ ダッカ・レストラン人質襲撃事件 現地配信動画(画像・写真)
ダッカ・レストラン人質襲撃事件について、過激派組織「イスラム国」(IS)を名乗る犯行声明が出たが、イスラム過激派である可能性は高いが、バングラデシュの地元組織が独自に犯行に及んだのか、ISの指示があったのかは不明とのこと。